ひるぜんでヘイトコと呼ばれているこの山菜の正式名称は「ネマガリタケ」。または「チシマザサ」とも呼ばれることもある小さなタケノコです。
ヘイトコは東北地方に多く見られるそうですが、中国地方などでも標高が700〜1000Mくらいの高地には所どころ分布しており、ひるぜん地域にも群生している場所が数ヶ所あります。 春に親竹の根元に顔を出したヘイトコを折り取って食用にするのですが、このヘイトコを採るのがなかなか大変な作業なのです。
ヘイトコの親竹は親指くらいの太さで、ネマガリタケという名のとおり根元の方が曲がっており、地面からはい上がるような格好で生えています。竹本体の高さは2〜3Mにもなり、密生して生えているのでやぶの中は右も左も竹だらけ。一歩足を進めるのにも苦労します。また竹やぶが視界をさえぎるので、下ばかり見てヘイトコを探していると、すぐに迷ってしまいます。現実に時々「遭難」する人が出るほどで、ヘイトコ採りはちょっぴり危険を伴う大変な重労働なのです。
でもそんなにまでしてひるぜんの人たちがヘイトコを採るのはやっぱりおいしいから。新鮮なヘイトコを皮付きのままゆでて皮をむき、調理するのですが、アクが少ないので真水でゆでればOKです。そしてここで早速ゆでたてのアツアツにマヨネーズを付けて食べるのもおすすめ。ゆでたてのヘイトコは食感が良く、歯ごたえのあるホワイトアスパラガスという感じで、小さなお子様にも大好評です。
あとは煮ても揚げても炒めても何にしてもおいしいですが、ひるぜん産のヘイトコはどんな料理にしても是非とも薄味で味わってください。コリッとした歯ごたえとほのかな甘みが高山の春の恵みを感じさせてくれる山菜です。